このドキュメントは、プロジェクトスプリントCODE 理論編 ベーシックで述べられた基本的内容よりもさらに応用的な内容を説明している。


プロセス編

ミーティング

ミーティングの意義

プロジェクトスプリントにおけるミーティングとは、チームメンバー全員が空間や時間を共有する機会のことである。 チームメンバーは、ミーティングの場で全員でアジェンダを議論する。これによって、個々人中にとどまっている情報を一斉に共有することができ、各メンバーはこのプロセスに参加するだけでプロジェクトの状況や個々人の思っていることについて自然と認識を合わせることができる。すなわち、チームメンバーの素早く効率的な認識合わせと、納得を伴う意思決定を実現できるのである。

アジェンダ

アジェンダの意義

アジェンダとは、個々人のアクティビティの結果(アウトプットとテンション)が、チームメンバーと共有されるために明文化されたものである。ある成果やテンションは、アジェンダとなってはじめて、チームメンバー全員から明示的に認識されることが可能になる。


プログレス編

プログレスにおけるステータス(As-IsとTo-Be)

プロジェクトスプリントにおいて、プロジェクトの進捗は、現在のステータス(As-Is)とあるべきステータス(To-Be)の距離として捉えられる。 チームメンバーによってAs-Is時点からTo-Beを描くとき、その確度はそれほど高くないこともある。

この原因は、大きく二つに分けられる。

  • As-IsやTo-Beに関して、チームメンバーの間での認識が揃っていないこと (位相の問題)
  • As-IsやTo-Beに関して、実際にプログレス・アクティビティを行っていかなければ明らかにならないこと (解像度の問題)

プロジェクトスプリントは、プロセスとマイルストーンの設定によってこれらの問題を解決する。

マイルストーン

マイルストーンの意義

マイルストーンとは、未来における特定の地点を明示化したものである。プロジェクトのゴールから逆算して複数のマイルストーンを設定していくことで、現在の地点からチームが何をするべきか、またその後何を目指していくべきかを見通すことができる。

マイルストーンの性質

マイルストーンは、チームによって任意に変更されうる。これは、実際にプログレス・アクティビティをこなす中でAs-IsとTo-Beが変化し、プロジェクトのゴールのために必要なことや、場合によってはプロジェクトのゴールそのものを見直すことがあるからである。


チーミング編

チーミングにおけるステータス

プロジェクトスプリントにおいて、チームのステータスは、メンバーが互いに責任を明確に理解したり期待できる程度と捉えられ、次の2点が実現されれば、理想的なチームを形成することができる。

  • プロジェクトチームのメンバーのお互いに何をやってくれるのか、やろうとしているのかわかること(期待値の一致)
  • 自分に担うことができる役割であれば、何であれ必要に応じていつでも担おうとするマインドセットがあること (自発的な役割の引き受け)

プロジェクトスプリントは、プロセスとロールの設定によってこれらを実現する。

ロール

ロールの意義

プロジェクトスプリントにおいて個々人が担う役割のことをロールと呼ぶ。それぞれのロールは、複数人によって担うことも可能である。 明示的または暗黙的にロールを設定・共有することにより、自分と他メンバーとの期待値の一致と、自発的な役割の引き受けが容易になる。

ロールの種類

明示的に命名されチームメンバーに共有されるロールを明示ロールと呼び、また 時間を共有するに従って自然とできあがる暗黙的なロールを暗黙ロールと呼ぶ。暗黙ロールが、何かのきっかけによって明示ロールとなることもありうる。

ロールの性質

ロールの数や、暗黙ロールと明示ロールの割合はプロジェクトやチームにより異なるものであり、一律の答えは存在しない。

一方で、ロールは下記のような状態になっていることが望ましい。

  • チームメンバー間で、ロールの中でやるべきことがより細かい粒度で理解されているほどよい。
  • そのチームにとって最もコストのかからない方法で、チームにとって必要十分なロールが共有されているほどよい。
  • 各ロールのやるべきことをお互いにフォローできればできるほどよい。

なお、最初からメンバー間で期待値が十分に一致した暗黙ロールができることはことはほとんどない。多くの場合それらの暗黙ロールは一度明示ロールとして表現され、期待値のすり合わせが行われる。そうしてできた明示ロールをベースに、各メンバーは未知の事柄にたいしても暗黙ロールとして引き受け、対応することが可能になる。


Project Sprint CODE

CODEとは、プロジェクトスプリントの理論や実践について説明したドキュメント群である。理論編および基礎編と、任意で利用できる補足的事項を説明したプラグインから構成される。理論編と基礎編はさらに、ベーシックとアドバンスの2つにわけられる。理論編と実践編それぞれのベーシックを総称して、プロジェクトスプリント エッセンシャルズと呼ぶ。