振り返りを行う

この記事の内容はプロジェクトスプリントにおける「プロセスドメイン」にあたります。

プロセスは定期開催のミーティングとそこでのアジェンダの議論を軸としたプロジェクトスプリント固有の仕組みです。この仕組みを通じてプロジェクトの進捗状況の共有、プロジェクトの進め方の継続的な改善・プロジェクトのゴールに向けたマイルストーンの見直しや互いのロールの確認をすることができるようになります。

この記事では、プロジェクトの進め方の継続的な改善を可能にする方法の一つである、振り返りについて解説します。

振り返り

プロジェクトスプリントではミーティングを通じて継続的にプロジェクトの進め方を改善すること(最適化)を目指しています。これらの最適化のため取り組みを総称して「継続的改善アプローチ」と呼んでおり、これはさらに「テンショントリアージ」と「振り返り」という二つの取り組みに分けられます。

テンショントリアージがミーティングを開催するでも解説したような毎回のミーティングで行う取り組みであり、主にチームメンバーの今の気持ちにフォーカスしているものであるのに対して、振り返りはチームメンバーが過去のプロジェクトの内容についてレビューするものになります。

そのため、振り返りはテンショントリアージと違い、ある程度まとまった期間をおいて実施するものであり、またその分必要な時間もテンショントリアージよりも長くなります。

この「まとまった期間」には、次の二つの種類のものがあり、いずれも併用して実施しましょう。なお、二つのタイミングが揃う場合は、あわせて実施してもかまいません。

マイルストーン終了時

マイルストーン終了という一つの区切りをタイミングとして設定するものです。このタイミングは、ゴールに対してどれくらい進んだか、を振り返るのに適しています。また、当初予定していた進め方とのズレを振り返り、次のマイルストーン達成に向けて最適なキックオフを実施できるように準備することができます。

定期的なタイミング

「何週間おき」「何か月おき」といったような定期的な時間で設定するものです。これは、プロジェクトは不確実でどのような状態になるか予期できないものであるため、とにかく時間で区切って振り返りを行うという取り組みです。たとえば、マイルストーンがいつまでも達成できないという状況がある場合には、強制的に最適化のタイミングが訪れることで問題解決のきっかけになります。

いずれの場合でも、テンショントリアージ同様、振り返りの際にも、プログレスドメイン・チーミングドメインにおける理想の状態(=プロジェクトのゴール・マイルストーンとチームのロール)の変遷を参照できるようにしておくと「あのときこうすればよかった」「今後はこうすればよいのではないか」といった気づきを得やすくすることができます。

振り返りで取り扱う内容は、特にドメインを限定しません。つまり、具体的なプロジェクトゴールの進捗に向けた取り組み(プログレス)に関することであっても、チームの役割分担(チーミング)に関することであっても、ミーティングの進行(プロセス)に関することであっても、取り扱うことができます。

振り返りの実施についてもミーティングのアジェンダアイテムとなるため、事前にアジェンダアイテムの提出を行う必要があります。

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