プロジェクトゴールとマイルストーンを見直す

プロジェクトゴールとマイルストーンの見直しは、プロジェクトスプリントにおける「チームでの活動」にあたります。ただし、各チームメンバーが自律的にプロジェクトに参画するためには、プロジェクトゴールやマイルストーンに個人として納得感と達成への現実味が持てていることが重要なので、プロジェクトゴールやマイルストーンの設定とその後の見直しは、「個人の活動」にも大いに関わってくるトピックです。

プロジェクトゴールとマイルストーンを設計するでも述べたように、プロジェクトゴールやマイルストーンは固定的なものではなく、むしろ環境の変化に応じて柔軟に書き換えられたり進化したりしうるものなので、いつでも見直してよく、また必要に応じて見直さねばならないものと言えます。市場環境の悪化や組織の体制変更、稟議スケジュールの変更といったプロジェクトの外部環境の変化によって調整が必要になることもあれば、プロジェクトを進める中で得られた洞察やチームメンバーの共通認識・役割期待の遷移といった内部的な変化によって進化することもあります。

見直しが必要となる具体的な場合

プロジェクトのゴールの見直しをするべきタイミングは、次のようなときです。

  1. 外部環境の変化やプロジェクトの進行の結果、プロジェクトゴールそのものを見直したほうが良いことが分かったとき

  2. マイルストーンが予定通りに達成されなかった結果、プロジェクトゴールを見直したほうが良いことがわかったとき

  3. その他何らかの理由でチームメンバーがプロジェクトゴールを見直したほうがよいと考えたとき

マイルストーンに関しては、プロジェクトゴールよりも頻繁に見直しが必要となることがあるでしょう。見直しをするべきタイミングは、次のようなときです。

  1. あるマイルストーンが達成されたとき

  2. あるマイルストーンが予定通りに達成されないことが明らかになったとき(予定よりも遅い場合、早い場合のいずれも含む)

  3. プロジェクトゴールに対してあるマイルストーンが適切ではないことが明らかになったとき

  4. プロジェクトゴールが変わったためマイルストーンも変える必要が出てきたとき

  5. その他何らかの理由でチームメンバーがマイルストーンを見直したほうがよいと考えたとき

見直しの手順

プロジェクト内外の環境は絶えず変化し続けているので、それに対応するためには、とにかく定期的にプロジェクトゴールとマイルストーンを見直し、現状に即していないところや違和感のある所がないかを確認することが重要です。プロジェクトゴールやマイルストーンは、全員が集まる場で見直しや調整を繰り返し、違和感を抱くメンバーがいれば納得いくまで議論することで、チームメンバー全員が共通認識と納得感を持てる状態にしていく必要があります。

プロジェクトゴールやマイルストーンの見直しの実施についてもミーティングのアジェンダアイテムとなるため、事前にアジェンダアイテムの提出を行う必要があります。

プロジェクトゴールやマイルストーンを変更する際には、変更の前後を並べて見せるなど、その差分を明確にし、積極的に共有するようにしてください。これは、「知らない間にプロジェクトゴールやマイルストーンが変わっていた」と感じるメンバーが出てきてしまわないようにするためです。

プロジェクトゴールやマイルストーンはプロジェクトにおけるあらゆる場面で参照され、チームメンバーにとって指針となるべきものです。そのため、変更後のプロジェクトゴールやマイルストーンにもチームメンバー全員が確実に納得できている状態を作ってください。

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